先日、山陽新聞で、倉敷市の姉妹都市サンクトペルテン(オーストリア)から短期留学生が倉敷を訪れ、富田小学校で交流していた記事を読みました。市内の高等学校でも交流していたらしいです。
サンクトペルテンの名前は、ずっと前から知っていました。私が小学生の頃、昭和町あたりに「サンクトペルテン」というレストランがあり、母に連れられて行ったことがあります。チキンライスがとてもおいしかった、という記憶だけが残っています。店は、今はありません。
それ以外は、正直、名前くらいしか知りませんでした。行ったこともありません。そこで今回、Google ストリートビューを使って、バーチャル散策をしてみることにしました。散策コースは、最初にAIに提案してもらい、自分なりにアレンジしています。
この記事は、観光ガイドのコピペではありません。スクショ中心で、ネット上の観光写真では見えにくい街の生活を垣間見る記録です。
サンクトペルテン(オーストリア)の概要
サンクトペルテン(Sankt Pölten)は、オーストリア・ニーダーエスターライヒ州(下部オーストリア州)の州都です。ウィーンの真西(約60km、鉄道で約30分)に位置します。

人口は、おおよそ5.9万人(オーストリア大使館観光部の公表値)。面積は、おおよそ108km²です。バロック様式の旧市街と、近代的な文化地区・官庁街が同居する、コントラストの強い街として知られます。
倉敷市との関係を一言でいうと、1957年9月29日に姉妹都市提携を結んでいます。日本とヨーロッパの都市間では初めての例だ、と倉敷市は公表しています。
比較のために、倉敷市の数字も並べておきます。倉敷市の人口は470,338人(2026年2月末)、面積は356.07km²です。倉敷市の人口はサンクトペルテンの約8倍、面積は約3.3倍の規模です。
地図でサンクトペルテンの位置を確認する
まず、地図で位置関係を確認します。

ウィーンとサンクトペルテンの位置関係です。州都とはいえ、ウィーンから真西に約60km離れた、別の顔を持つ街です。地図はグーグルアースで、60度傾けた俯瞰です。
次に、同じ縮尺で倉敷市域と並べてみました。

ウィーンとサンクトペルテンの間の距離約60kmを頭に置くと、倉敷から西に約60kmが三原市、倉敷から東に約60kmが赤穂市になります。
サンクトペルテン市域を拡大し、これから歩く散策コース(A〜G)と、郊外のプロット位置(黄色)を地図に載せました。

同じ縮尺で、倉敷市域との対比です。

サンクトペルテンの中心部は、倉敷の美観地区一帯より広い大きさに見えます。以降は、この地図のコースに沿って、ストリートビューで歩いていきます。
散策コース
地図に載せたコースは、次のとおりです。A〜Gまでは、ストリートビュー上で徒歩したルートです(地図上の青い軌跡)。
- A サンクトペルテン中央駅
- B フランツィスカーナー教会
- C ラートハウス広場(市庁舎)
- D 大聖堂
- E フェストシュピールハウス
- F ニーダーエステライヒ経済センター
- G 州政府庁
郊外の住宅・緑地は、地図上の黄色のプロットからスクショを取っただけで、徒歩散策はしていません。
中央駅から旧市街へ
散策の起点は、サンクトペルテン中央駅の南側です。

駅舎を南に出て、北に振りかえって駅舎を眺めたところです。もう駅舎からしてヨーロッパ観光の雰囲気が満々に出ています。
ここから、旧市街方面へ歩いて向かいます。

駅を背にして進むと、クレムザー・ガッセ(Kremsergasse)に入ります。
なんだか、ショッピングモールの入り口に見えますね。

街並みを楽しみながら、南へと進みます。

通りの交差点の場所です。ここから西に向かって、ブルンガッセ(Dr.-Brun-Gasse)へ進みます。
遠くの突き当たりに、おしゃれな建物が見えているのがわかりますか? 寄り道して行ってみます。

シティー・ショッピング・プロムナーデ(City Shopping Promenade)と名付けられた、ショッピングモールでした。

寄り道から戻って、ラートハウス広場に歩く途中です。
看板に「TOKYO cuisine」と書かれたレストランを見つけました。子ども頃に行った昭和町の「サンクトペルテン」店とは別物です。偶然の一致ですが、倉敷から姉妹都市を歩いていると、こういう接点も出てきます。
ラートハウス広場とフランツィスカーナー教会
ラートハウス広場(Rathausplatz)の入り口にやってきました。ラートハウス広場とは市庁舎広場という意味らしいです。

ラートハウス広場の奥に見えるのが市庁舎です。
ラートハウス広場を少し入って、振り返ると、フランツィスカーナー教会(Franziskanerkirche)が見えます。

観光写真でよく見る「きれいな一枚」というより、広場に小屋がごちゃごちゃあって、後の建物は歴史的建造物という感じです。
教会のバロック様式の突き出た時計台と正面棟の彫刻が印象的です。
市庁舎
ラートハウス広場の南奥の市庁舎です。

現役の市庁舎です。倉敷美観地区のように「観光用に整えられた古い街並み」だけではなく、役所として今日も機能している、という点が後から印象に残りました。
サンクトペルテン大聖堂へ
市庁舎から、ラートハウスガッセ(Rathausgasse)を東へ歩いて進みます。


サンクトペルテン大聖堂(Dom St. Pölten)。旧市街のランドマークの一つです。塔とバロックの外観が、路地の先に突然顔を出すように見えます。
文化地区:フェストシュピールハウスと博物館
先ほどの、サンクトペルテン大聖堂から、文化地区の方へ歩いていきます。

大聖堂の東南側、レーデラーガッセ(Riedergasse)。この辺りが旧市街地の端だと思います。
旧市街地の東南側、文化地区へ足を踏み入れると、ガラリと雰囲気が変わります。

フェストシュピールハウス(Festspielhaus)。近代的な文化施設で、旧市街のバロックとは別の顔です。

隣にはニーダーエステライヒ州立博物館(Niederösterreichisches Landesmuseum)があります。エンタランスの曲線屋根が印象的です。
ニーダーエステライヒ経済センター
さらに南へ。ニーダーエステライヒ経済センター(Wirtschaftszentrum NÖ)です。

中層のオフィスビルが並ぶ、ビジネス地区です。人口5.9万人の州都にしては、旧市街との落差が大きい、と個人的には感じました。
州政府庁舎街
北にUターンして散策ルートの最後は、州政府庁周辺です。

州政府庁舎とオフィスが並ぶエリアです。日本でいう「県庁・官庁街」に近い印象ですが、高層ビルではない霞ヶ関といってもいい感じがします。街全体のスケールに比べて、州政府庁舎街はとてもデカくて圧倒されます。
倉敷にはこんなオフィス街はありません。
郊外の住宅と緑地
ここから先は、地図上の黄色プロットからのスクショです。ストリートビューで歩いたわけではありません。



集合住宅、一戸建て、そして畑。郊外と呼んでいますが、中心部から見ると、どれも意外と近い距離にあります。5.9万人の市域108km²——倉敷よりコンパクトなので、中心と住宅地の距離感も短いのかもしれません。
歩いて(見て)感じたこと
学生時代、「地球の歩き方」と「ユーレールパス」を持って、ヨーロッパをバックパッキングしたことがあります。今回は、画面越しの散策です。足を動かしてはいませんが、あの頃歩いた街の記憶が、蘇ってきました。
ヨーロッパの街は、どこを切り取っても美術館の展示のように美しい——そういう感想は、今も変わりません。
そして、どうしても比較してしまうのが、倉敷美観地区。
雰囲気は、白壁・路地・石畳という点で近い部分があります。ただ、美観地区は観光客向けに整えられた側面が大きい。サンクトペルテンの旧市街は、現役の生活の街です。市庁舎も現役。商店街も、地元の人が買い物をする通りに見えます。
正直、日本人の感覚では、旧市街全体がオープン型の広いショッピングモールのように感じられます。建物は歴史的建造物だが、使われ方は「今日の街」です。
旧市街のすぐ東南には、文化地区・経済センター・州政府庁と、近代的な中層ビル群が続きます。人口5.9万人の街で、このコントラストは、日本人にとっては驚きかもしれません。倉敷でいえば、美観地区の隣に、いきなり岡山県庁・オフィス街が存在している——そんなイメージに近い距離感です。
まとめ
倉敷市の姉妹都市サンクトペルテン——名前だけ知っていた街が、地図とストリートビューで、強烈に脳裏に焼き付きました。バロックの旧市街、現役の市庁舎、近代的な官庁・文化地区、そして近い郊外の住宅地。本当は、もっといろんな側面があるのだと思います。
倉敷市の姉妹都市は、他にもカンザスシティ、クライストチャーチ、鎮江があります。今回は、そのうちのひとつを、画面越しに歩いた記録でした。
